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熊本地震から、これからの「地震に強い家」を考えました。
2026年7月28日。
熊本県熊本地方で、
マグニチュード7.1の大きな地震が発生しました。
宇城市と氷川町では、
最大震度7を観測。
その後、
国土交通省 国土技術政策総合研究所と建築研究所が、
木造建築物の現地調査を行っています。
その速報を読んでいて、
ひとつ、とても気になることがありました。
同じ大きな地震を受けても、
すべての家が、同じように壊れたわけではない。
倒壊した建物。
大きく変形した建物。
そして、
外観上ほとんど被害が確認できない建物。
この違いは、
どこから生まれたのでしょうか。
今回は、
現時点で公表されている速報から、
これからの家づくりについて考えてみたいと思います。
01|今回の熊本地震で、何が起きたのか。
国土交通省 国土技術政策総合研究所と建築研究所は、
地震後に宇城市、八代市、氷川町で
木造建築物の現地調査を行いました。
速報によると、
倒壊が目立ったのは、
築年数が概ね45年を超えると推定される木造建築物。
木造住宅や納屋などに、
多数の倒壊が確認されています。
調査では、
土壁を持つ建物
や、
重い屋根、
端部の接合が釘のみとみられる筋かい壁を持つ住宅
などにも、
倒壊例が確認されています。
一方で、
同じ地域を見てみると、
外観上、ほとんど被害が確認できない住宅も数多く存在しています。
つまり、
「震度7だったから、
すべての家が同じように壊れた。」
という単純な話ではありません。
ここに、
これからの家づくりを考える
大きなヒントがあるように思います。

02|「古い家が壊れた」で終わらせてはいけない。
今回の速報だけを見ると、
「古い住宅ほど倒壊が多かった。」
という傾向は、
かなりはっきりしています。
例えば八代市鏡町では、
築年数45年超と推定される建物に
多数の倒壊が確認されています。
一方、
築年数の浅いと思われる建物では倒壊は確認されず、
外装材の目地切れなどが中心でした。
2021年竣工の学校施設についても、
外観上、目立った損傷は確認されていません。
ただし、
ここで、
「新しい家なら大丈夫。」
と結論づけるのは、
まだ早いと思います。
なぜなら、
住宅の強さは、
築年数だけでは決まらないからです。
設計。
構造。
壁の量と配置。
接合部。
基礎。
地盤。
施工精度。
さまざまな要素が組み合わさって、
ひとつの住宅の強さがつくられています。

03|「築45年超」。その数字が意味するもの。
今回の速報で、
何度も出てくるのが、
「築年数が概ね45年を超えると推定される木造建築物」
という言葉です。
2026年から45年前をたどると、
1981年前後。
ここには、
日本の住宅耐震における
ひとつの大きな境界線があります。
1978年の宮城県沖地震などによる被害を受け、
建築基準法の耐震基準が見直されました。
1981.06.01
「新耐震基準」が適用。
それ以前の基準は、
現在「旧耐震基準」と呼ばれています。

つまり今回、
多くの倒壊が確認された
「築45年超」と推定される木造建築物は、
この境界と重なる可能性があります。
もちろん、
「旧耐震基準だから倒壊した。」
「新耐震基準だから安全だった。」
と、
現時点で断定することはできません。
それでも1981年前後は、
今回の木造住宅被害を考えるうえで、
無視できない境界線のひとつだと思います。
そして、
もうひとつ気になる境界線があります。
2000年。
木造住宅について、
接合部の仕様や、
耐力壁の配置などに関する規定が
さらに明確化された時期です。
では、
2000年以降に建てられた木造住宅は、
今回の震度7にどう耐えたのでしょうか。
ここは、今後公表される
詳しい調査結果を待ちたいと思います。
04|2016年の熊本地震で被害を受け、改修した家も。
今回の調査で、
もうひとつ印象的な事例があります。
氷川町島地地区では、
住民の話によると築80年以上とされる木造住宅で、
2016年熊本地震による被害を受けた後、
増築・改築を行っていた建物の倒壊が確認されています。
もちろん、
この一例だけから、
すべての改修住宅について何かを一般化することはできません。
ただ、
「直したから安心。」
「補強したから大丈夫。」
という考えだけではなく、
建物全体として、
地震の力をどのように受けるのか。
既存部分と増築部分は、
どのようにつながっているのか。
そんな視点の重要性を、
改めて感じます。
05|中古住宅を選ぶときに、知っておきたいこと。
住宅価格が上がる今、
新築だけではなく、中古住宅を購入してリフォームするという選択肢も増えつつあります。

今回の調査速報から、
中古住宅を検討するときに、ひとつ意識しておきたいのが
その家が「いつ、どんな基準で建てられたのか」。
という視点です。
まず確認したいのは、
1981年6月1日から適用された
「新耐震基準」を満たしているか。
さらに木造住宅であれば、
接合部や耐力壁の配置などの規定が明確化された
「2000年」も、
ひとつの目安になります。
ただし、
築年数や建築された年代だけで、
その家の安全性が決まるわけではありません。
中古住宅購入を検討するときに確認したいこと。
・どの耐震基準で建てられた住宅なのか。
・基礎や構造部分に劣化や損傷がないか。
・増改築や耐震改修の履歴はあるか。
・建物の傾きや地盤に問題はないか。
見た目や間取り、
リフォーム後のデザインだけではなく、
まず、その家の「今の状態」を知ること。
必要であれば、
インスペクションや耐震診断を行ったうえで、
購入を検討することも大切です。
今回の調査速報は、
中古住宅を選ぶときにも、
「築年数だけでは見えない部分を見る」ことの大切さを
改めて教えてくれているように思います。
06|この福井県で地震に強い住まいのポイントは?
耐震等級3だけで大丈夫なのか?
LIBELLEでも、
耐震等級は地震に強い一つの基準であると考えています。
しかし、
ここで更に大事なポイントは、
10年後、20年後、30年後も
地震に強い性能は発揮続けられること!
北陸福井県の気候は、木造住宅の弱点も言える
湿気が多く白蟻の影響も受けやすい環境にあるということです。
さらに言えば、
思い湿気を含んだ積雪時の冬場に、地震があるかもしれない。
調査結果から単純に、
この福井県では
「耐震等級3だから安心です。」
とは、
言えないのです。
この福井県においては、新築当時の耐震性を持続するための
湿気・結露対策、白蟻対策も
地震対策の一つとなると思っています。

大きな地震が来たあと、家族が無事でいること。
そして、
できることなら、
損傷を最小限に抑え、
その家で、暮らしを続けられること。
そこまで考えて初めて、
「地震に強い家」と言えるのではないでしょうか。
07|住まいは巣まい。
守りたいのは家だけではなく、そこにある幸せな日常です。
朝、「おはよう」と声をかける。
家族を送り出して、
夕方になれば、
いつもの家に帰ってくる。
食卓を囲む。
子どもの話を聞く。
いつもの場所で眠る。
そんな何でもない毎日も、
私たちの「暮らし」です。

けれど地震は、
その日常に、突然やってきます。
家が壊れることもある。
大切なものを失うこともある。
そして何より、
かけがえのない人の命が失われることもあります。
福井で暮らしていると、
大きな地震を身近に感じる機会は、
そう多くないかもしれません。
でも、
「最近起きていない」ことと、
「これからも起きない」ことは違います。
熊本で起きたことを、
遠い地域の出来事で終わらせない。
改めて思うのは、
耐震性能は、
業者を決める基準でもなく、
耐震等級3という証明を取るためだけのものでもありません。
大きな地震から、家族の命や大切な物を守ること。
そして、
その次の日にも、
できることなら、
いつもの暮らしを続けられること。
そのために、
家の「強さ」はある。
LIBELLEは、
耐震等級という数字の、その先にある、
家族の命と、地震後の暮らしまで考える住まいづくり
をしたいと思っています。
今回の熊本地震から学びながら、
LIBELLEも改めて、
住まいの強さについて考え続けていきたいと思います。
「地震に強い家」について、
一緒に考えてみませんか。
耐震等級。
構造計算。
基礎。
地盤。
家づくりを考え始めると、
たくさんの専門用語や数字が出てきます。
LIBELLEでは、
「耐震等級はいくつか」だけではなく、
「その性能で、何を守りたいのか。」
というところから、
住まいの強さを一緒に考えています。
EPILOGUE|この震災で学べることを、これからの未来に活かしたい。
今回公表されたのは、
まだ速報段階の調査結果です。
これから確認したい、③つのPOINT。
POINT 01
2000年以降に建てられた木造住宅は、
実際にどの程度被害を受けたのか。
POINT 02
耐震等級3の住宅は、
どの程度損傷したのか。
POINT 03
許容応力度計算の有無や、
地盤・基礎の違いは、
被害にどのような差を生んだのか。
本当に知りたいことは、
まだこれからです。
今後、より詳しい調査結果が公表されれば、
今回の記事も改めて検証し、
必要な情報を更新していきたいと思います。
地震に強い家とは何なのか。
数字だけで判断するのではなく、
これからも一つひとつ確かめながら、
LIBELLEの家づくりに反映していきます。
参考資料
・国土交通省 国土技術政策総合研究所/国立研究開発法人 建築研究所
「令和8年熊本地震による木造建築物の被害調査報告(速報)」
・気象庁「令和8年熊本地震」関連資料
・国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」
※本記事は2026年9月4日時点で公表されている速報資料等をもとに作成しています。
今後の調査・分析によって、被害状況の評価や原因分析が更新される可能性があります。